プロヴァンス滞在記
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42.ローマ水道橋 1
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アーチの構成が素晴らしい。じつに美しいローマ橋だ。
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水道橋と言えばやはりポン・デュ・ガール(Pont du Gard)が有名だ。
このポン・デュ・ガール、成り行きで今回も立ち寄ることになったのだが、前回来た時と比べて、雰囲気がずいぶん変わっていて驚いた。
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前回までは橋のすぐ近くまで車を乗り入れて、傾斜のあるゴツゴツの岩盤状の広場に車を停めて、うろついている駐車場おじさんに駐車場代を払って気軽に橋を見に行けたのだが・・・、今回行ってびっくり。
だいぶ手前に立派な駐車場のゲートが出来て、全面舗装の広い駐車場が出来上がっている。
でっかいビジターセンターも建ち、そこから橋までちょっと歩かなければならない。
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予想外の駐車場ゲートが突然現れ、驚き戸惑ってしまった。
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コンクリートの、まるで仕切りのような無骨な欄干が 出来たせいか、ローマ橋に上がる人はあまりいない。
べつに立ち入り禁止という訳ではないのだが・・・。
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さらに、第一層に並立している1743年に出来た橋からローマ橋に気軽に立ち入りにくいように、コンクリートの欄干も出来ていた。 安全上はそのほうが好ましいのだろうが、なんだかなぁ・・・。
私が初めてここを訪れるホンの少し前までは第3層も歩くことが出来たそうで、『もう少し早く来ていれば・・・』と、私は今でもとても残念に思っている。
ちなみに第三層までの高さは49m、ビルで例えると12〜13階建てぐらいの高さだ。
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ま、そんな環境の変化は別にして、橋自体はいつ見ても素晴らしい。
計算され尽くしたアーチの構成、ガルドン川の氾濫に備えた設計・構造、それらが醸し出す美しさ・・・。
最高傑作のローマ水道橋と言われるのも十分納得できる。
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第三層。本来の導水路はこの部分。 以前は第三層も歩く事が出来たそうだ。
(1992冬の写真。この頃は既に立ち入り禁止だった。)
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斜め上からの眺め。 所々に見られる岩の突き出しは
作業時に足場をかけるためのものだ。
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この導水路がユゼスの水源からニームに水を送っていたというのは有名だが、よくよく考えるとユゼスからニームまでの直線距離は約20km、それを東にぐるっと廻りこんで実際の総延長は約50kmだ。
途中では何度も地下トンネルになったり、水道橋になったりしている。その技術力・発想はまったくもって見事としか言いようがない。
ちなみに、当時の供水量は1日2千万リットルと言われている。
(2003/01/19作成)
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