プロヴァンス滞在記
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13.宗教 (RELIGION)
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プロヴァンスで宗教というと、やはり、サント=マリー=ド=ラ=メールからキリスト教が広まったという、例の伝承を思い出されることだろう。
この伝承にまつわるお祭りや巡礼地もいくつかあり、見てまわると面白い。
サント=マリー=ド=ラ=メールのお祭り、一般にはジプシーの巡礼として有名であるが、ミサの説教を聴いていると、この伝承に対しての想いと熱気がひしひしと伝わってくる。
聖人たちが、帆も櫂もないような小船に乗ってパレスチナからここまで流されて来たなどという、とても非現実的な話であるにもかかわらず、それを現実として信じて疑わない世界がある。それもプロヴァンスの一面なのだ。
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サント=マリー=ド=ラ=メールのお祭り
(Stes−Maries−de−La−Mer)
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サント=ボーム(Ste−Baume)の洞窟
中央に見えるのが洞窟
左上に見えるのは礼拝堂
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この話の主人公の一人、マグダラのマリア。彼女が晩年、瞑想生活をしたとされるサント=ボーム(Ste−Baume)山中の洞窟は古くから巡礼地になっている。
プロヴァンスでは珍しい落葉樹の巨木が生い茂るうっそうとした森を抜けた先の岩壁にある。
広い洞窟の中は感謝のプレートがたくさん貼ってある。
7・8年前に訪れた時は洞窟の中に入れたのだが、昨年行った時は、落石の為、洞窟のだいぶ手前から立ち入り禁止になっていた。
ここから20分ほどハイキング道を登ればサン=ピロン(Saint−Pilon)山の頂上に出れる。ここからの眺めも素晴らしい。頂上に礼拝堂があるが、これはマグダラのマリアを祭ったものだ。
伝承によれば、洞窟で祈りをささげていたマグダラのマリアは、天使たちによって、たびたびここに運ばれて天国の音楽を聞いていたとか・・・。 |
マルセイユ (Marseille) のサン・ヴィクトール・バジリカ聖堂の地下礼拝堂にも、マグダラのマリアが祭られた一角があるが、以前訪れたとき、一人の年配のおじさんが、熱っぽく、マグダラのマリアについて説明してくれた。
フランスではマグダラのマリアは特に人気があるようだ。
宗教は世俗化してそのエイトスを失ったなどと、昔学校では習ったが、現実は決してそんなことはないように、私には、感じられる。
( 2001/03/18 作成 )
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サン=ピロン(Saint−Pilon)山頂上の礼拝堂
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