- 特集 1 -
(カタルーニャから)
2001/09/09
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      プロヴァンス滞在記

カタルーニャから 2

                 

タウール、サン・クレメント教会の『全能者キリスト』

私がバルセロナで一番興味を惹かれるのはカタルーニャ美術館だ。 ここではカタルーニャ地方の、保存が難しくなったロマネスク期の教会壁画を移設して展示している。 しかも、1つ1つの教会の雰囲気を忠実に再現している。 こんな美術館は世界中見ても例がないのでは?



なかでもとりわけ目を引くのは、やはりタウールのサン・クレメント教会(Saint Climent de Taull)の『全能者キリスト』だろう。 素朴に、しかし力強くキリストが描かれている。

これ以前、ヨーロッパにキリスト教が広まっていった中世初期は、キリストは最後の審判を下す恐怖の裁判官として表現されることが多かったそうだ。
そして、最初の千年紀末を何事もなく通過し、ロマネスクの教会建築が最盛期になったこの時代、これらの壁画を見ながら、人々が何を感じ、思い、そして祈ったのか・・・。

なお、この教会も含めて、『ボイ渓谷のロマネスク様式教会群』は昨年、世界遺産にも認定されている。

祭壇正面画

モンセラートの修道院(ベネディクト会)。
顕著な礫岩の山塊の中腹に作られた修道院として有名。
ナポレオンの侵略で荒らされ、
現在の建物はほとんど19世紀以降のもの。
それにしても、バルセロナはスモッグがひどい。 スペインの大都市は大抵そうなのだが、今回バルセロナを訪れたときは強烈だった。
昔からこんなだっただろうか? わずか2日間滞在しただけで私のアレルギーが最悪になり、ほうほうの体でバルセロナを逃げ出す事になった。

モンセラート(Montserrat)まで来て、山の中腹の有名な修道院からバルセロナ方面を見下ろしたとき、どんよりとした笠状のスモッグが一面を覆っているのが見え、ぞっとしたものだ。

( 2001/06/17 作成 )


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