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プロヴァンス滞在記 − クライミングをしよう! −
クライミングをしよう!
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クライミングと言えば、たいていの人は、山も同時にイメージすることでしょう。
実際、私がクライミングをはじめた頃は、フリークライミング(*1) というはっきりした概念や意識は一般的ではなく、大きな山でなされていた、人工手段(*2) を交えたアルパインクライミング(*3) の対語くらいの感覚でした。
もちろん、その頃でも既に、ススんでいる一部の人たちは、ヨセミテ(*4) に登りに行き、フリークライミングやアメリカンエイド(*5) を国内に持ち込んではいたのですが・・・。
当時私は、ヨーロッパアルプス(*6) などの大きな山でのクライミングに興味があり、フリークライミングはそのためのトレーニング(*7) といった意識しかありませんでした。
フリーの岩場で 5.12(*8) の高難度ルートを見ても自分には別の世界で、自分がそれを登るようになるなどとは、まったく想像できませんでした。
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* * *
しかし、山のパートナーが相次いで引退し、自分も就職して、年中山に行ける身分でなくなり、またその頃のアルパインクライミングの動向から、『5.12ぐらいは普通にフリーで登れなければ、アルパインクライミングでも大した所は登れないのでは?』と感じるようになり、しばらくはフリークライミングに打ち込もうと決めたのです。
そう決心して2年後、5.12が登れるようになり、すると今度は、フリークライミングが面白くなり止められなくなっってしまったのです。
現在、山には全く行ってません。
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(*1) フリークライミング
岩以外は何もつかまないで登る。
ハーネス・ボルト・ロープ等を使用するが、あくまで安全確保の為であり、それらを掴んだり、ぶら下がったりしたら『フリー』で登ったことにはならない。個々の能力の限界を目指して登るため、墜落は当たり前である。
(*2) 人工手段
岩にピトン(ハーケン)を打ち付けてつかんだり、ぶら下がったり。ボルトを埋め込んだり。岩の隙間にチョックやナッツを入れたり、フックを岩に引っ掛けたり、・・・さまざまな道具とテクニックがあります。
(*3) アルパインクライミング
アルプスやヒマラヤ等の大岩壁でのクライミング。ここでは墜落や長時間の経過は深刻なダメージにつながるため、スピーディでかつ、落ちないクライミングが要求される。ピトン(ハーケン)・ボルトやアブミ等を前進するための直接的な手段にすることもある。(つかむ・乗る・ぶら下がる等)
(*4) ヨセミテ
アメリカ・ヨセミテ渓谷。その頃フリークライミングをする者にとって、聖地のような所でした。私は行ったことがありませんが・・・。
(*5) アメリカンエイド
やはりヨセミテ渓谷で発展した人工登攀。岩に極力、残置物を残さないのが基本思想。
(*6) ヨーロッパアルプス
グランドジョラス北壁やマッターホルン北壁、ドリュ西壁、等々。きれいで大きな壁。とても憧れました。
しかし私は結局、どこにも登っていません。
(*7) そのためのトレーニング
人工登攀はいろいろなテクニックがあるとは言え、やはり時間がかかります。少しでも多くフリーで登れれば、それだけ早く完登出来るのです。アルパインクライミングにおいて、スピーディで安定したクライミングをするためには、やはりフリークライミングがうまくなければなりません。
(*8)
5.12
それぞれのルートの難しさを表現するために、ルートにはグレードが付けられています。今でこそ5.12は普通のグレードになりましたが、私がクライミングを始めた頃は、特別な人たちが登る、夢のようなグレードに思えたものでした。
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『フリークライミングの何がそんなに面白いのですか? 』
よく聞かれる質問です。ほかに、よく聞かれるのが、
『山を征服する、あの征服感がいいのですか?』ってやつ。
(だから、山はやってないってば!)と心の中でちょっとムッとしつつ、にっこり笑って、
『何が面白いかは、やってみればわかりますよ。』
とだけ答えています。
そう。皆さん、何はともあれ、一度やってみましょう。
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昔はこんなクライミングもやってました。
冬の八ヶ岳・大同心にて。
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というわけで、、
クライミングを始めるのに、最低限必要なのはクライミングシューズ(*9) とチョークバッグ(*10) です。この2つがあれば、まずボルダリング(*11) は出来ます。
さらにハーネス(*12) もあれば、ルートをトップロープ(*13)で登れます。
最初はこの3セットがあって、詳しい人について行けば、フリークライミングがどんなものか体験できます。
ただし、クライミングは危険な要素が多いスポーツですので、しっかりした知識と技術を持った人について行かないと、危険な目にあいかねません。注意しましょう。
このごろは、クライミングジムの数も増え、そこに行けばレンタルのシューズやチョークバッグ・ハーネスもあります。
また、たいがいのジムは講習も受付けているようなので、クライミングを体験してみたい人は、まずクライミングジムを訪れるのが一番手っ取り早いでしょう。
( 2001/09/09 作成 )
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(*9) クライミングシューズ
クライミング専用靴。ゴムにフリクション(摩擦)の大きい素材を使っていて、足にぴったりフィットするつくりになっている。
(*10) チョークバッグ
滑り止めの粉(チョーク)を入れる筒型の袋。紐を通して腰に携帯できるようになっている。
クライミング中、次第に汗で指がヌメって微妙なボールド(握り?保持?)が出来なくなる。その都度チョークバッグに手を入れて、チョークをつける。
(*11) ボルダリング
さほど大きくない岩や、ルートの下部などのあまり高くない所で、靴とチョークだけを使ってクライミングする。
もっともシンプルで、ナチュラルなスタイルではある。
倫理(ルール)の厳しいエリアではチョークの使用も禁止されていることがある
(*12) ハーネス
安全ベルト。 墜落の衝撃が足と腰に分散されるような構造になっている。
(*13) トップロープ
上から伸びたロープで確保してもらい、登る。
登った分だけロープをたぐってもらえるので、落ちても墜落距離はほとんどない。
初心者にとっては最も安心できるスタイルです。
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− グレード対比表(参考) −
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日本 |
フランス |
ドイツ |
初歩 |
5.7 |
5a |
5+ |
5.8 |
5b |
6- |
5.9 |
5c |
6 |
5.10a |
初級 |
6a |
6+ |
5.10b |
6a+ |
5.10c |
7- |
6b |
5.10d |
7 |
6b+ |
5.11a |
中級 |
6c |
7+ |
5.11b |
6c+ |
8- |
5.11c |
7a |
8 |
5.11d |
7a+ |
8+ |
5.12a |
上級 |
7b |
9- |
5.12b |
7b+ |
5.12c |
7c |
9 |
5.12d |
7c+ |
9+ |
5.13a |
8a |
10- |
5.13b |
8a+ |
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5.13c |
8b |
10 |
5.13d |
5.14a |
8b+ |
10+ |
5.14b |
8c |
11- |
5.14c |
8c+ |
11 |
5.14d |
9a |
11+ |
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* グレード対比表を作ってみました。
一列目で、初歩・初級・中級・上級の区分けもしてみました。
私がクライミングを始めた頃は、5.9や5.10aが登れなくて散々苦労したものですが、近頃はクライミングを取り巻く環境が良くなったこともあり、クライミングを始めて間もない人が5.10はおろか、5.11に取り付くことも珍しくはないようです。
もはや、5.12aまでは中級ルートと言ってもいいのではないでしょうか?
ただし、これはフェースルートでの話です。 クライミングを始めて間もない人が、5.10のクラックをいきなりリード出来るとは私は思えません。
むしろ危険だと思います。
日本のグレードはアメリカングレードに準拠しているのですが、日本の中級以上のグレードはアメリカよりどうも、辛めに付けられているようです。私はアメリカで登った事が無くその辺の評価は全く出来ないのですが・・・。
この対比表は、あくまで、私がヨーロッパで実際に登って感じたグレード感覚と、ヨーロッパで出されているトポ等のグレード対比表を参考に、日本グレードとの対比を目的に作成しました。
したがって、既に出ているアメリカングレードとの対比表と大幅に違う可能性があると思いますので、参考程度に見て下さい。
また、5.13+/8b以上の高難度ルートは、私は完登したことがないので推測の域を出ません、ご容赦ください。
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